医療ソーシャルワーカーのキャリア支援(教育支援体制)
総合相談室:キャリア支援
当院に入院・外来受診される方は、子どもから学生、稼働年齢層、高齢者に至るまで幅広い年代、社会的属性の方がおいでです。また、受傷や発症の起因も、病気やケガ、交通事故や労働災害等が含まれますので、多様な制度活用が要されます。退院後に復職や復学、社会参加を目指す際には、障害福祉サービス・介護保険制度・医療・教育機関等多岐にわたるサービス利用の調整や、関係機関との連携も行います。
病棟毎に疾患や患者の年齢構成が異なりますので、定期的にローテーションを行うことで、骨関節疾患、脊髄損傷、高次脳機能障害、神経難病、脳卒中後遺症、小児等の患者への支援を経験することができ、医療ソーシャルワーカーとして非常に多岐にわたる知識と経験を身につけることができます。
神奈川リハビリテーション病院総合相談室では、医療システムや福祉制度等の理解を促進するために、以下のキャリアラダーを推奨しています。
- 入院患者のアセスメントを行い、退院支援をイメージしつつ、入院中に必要な支援・手続き・情報提供をまとめ、プランニングする。健康保険・労災・自動車保険・介護保険・障害福祉サービス・年金制度等を理解する。 (1-2年目)
- 退院患者へのフォローアップや帰結確認を行い、前医等との連携の中で情報共有する。健康保険・労災・自動車保険・介護保険・障害福祉サービス・年金制度等が説明でき、活用できる。(3-5年目)
- 地域の医療機関や福祉サービス機関に当院の役割を説明し、連携できる。就労支援・雇用保険等を理解し、社会参加支援を実践できる。(6-10年目)
- 地域の医療機関や福祉サービス機関等との連携を深める中で、各機関の役割を理解し、有機的な連携が行える。生活困窮者や生活保護、多機関連携が必要な困難事例への支援ができる。(10-20年目)
- 医療や障害福祉制度での課題点を見出し、社会改良に向けたソーシャルアクションの活動ができる。部機関視察や他機関と連携を図る等より院内の課題を見出し、改善に取り組む事ができる。(20年目以上)
これらを具現化するために、業務マニュアルや制度活用等に関する手引きを作成しています。さらに、各ソーシャルワーカーが悩みや支援困難ケースを抱え込まないように、毎週小グループごとの情報共有や意見交換を行い、困難事例は月1回開催する「事例報告会」にて総合相談室全体で共有する体制を整えています。