神奈川県総合リハビリテーションセンター

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リハビリテーション

心理科

心理科

心理科では、現在8名のスタッフで病院業務に携わっています。
当院では様々な疾患に対するリハビリテーションを実施していますが、心理科が関わっているのは①高次脳機能障害に対応した美病棟、②脳血管障害に対応した回復期病棟、③小児および脳外科病棟、④脊髄・頚椎損傷ならびに神経難病に対応した病棟です。
また、地域リハビリテーション支援センターの「研修事業」「専門相談」への講師派遣を通じて、障がい理解に向けた啓発活動、心理学的支援にも力を入れています。

リハビリテーションと臨床心理士の役割

「カウンセラー」「臨床心理士」という名称は、よく耳にするようになったかと思います。一般的には「精神科・神経科」「心療内科」「小児科」といった医療分野や、「学校」「教育相談所」「児童相談所」などの教育・福祉分野で、主にカウンセリングの仕事をしています。最近では、災害や犯罪被害によるPTSDのケアなどにも貢献しています。
一方、リハビリテーション病院で働く臨床心理士の仕事は、上記の内容に加えて、神経心理学、高次脳機能障害、発達障害、様々な身体障害についての知識や経験にもとづいて家庭や地域での生活、社会復帰を支援しています。

面接室



心理科のアプローチ

発達面、知的面、認知面、心理社会的側面に関する問題は、先天的、後天的を問わず、ご本人にとってもご家族はじめ周囲の方々にとっても、「見えにくい/わかりにくい」問題といえます。心理科では、そのような問題に対して 心理アセスメントの結果を踏まえて、見える形でわかりやすくお伝えし、問題に対処するお手伝いをしています。また生活に役立つ情報をお伝えしながら、ご本人をとりまく環境を整えていくことも我々の重要な仕事と考えています。
病院では、心理科は医師の指示に基づいて検査・面接などを行っています。まずは担当のリハビリテーション医か主治医にご相談ください。


小児のプレイルーム


心理検査の一例

高次脳機能障害と心理科による支援

高次脳機能障害と心理科による支援

脳外傷や脳血管障害の後、どうも物忘れしやすくなった、ぼんやりしているなどの高次脳機能障害の症状が疑われる方に、神経心理学的な視点から検査を実施し、症状の有無や程度を確認させていただいています。諸検査から得られた情報は、主治医に報告し、ご本人やご家族にもお伝えするとともに、同じ患者さまに関わるリハスタッフで共有し、相互理解を深める一助とさせていただいています。

入院期間中の取り組みについて

入院期間中は、これらのアセスメントの結果に基づき、高次脳機能障害をもった方が、入院生活を安心して過ごしていただくための以下のような取り組みをしております。

1. 心理面のサポート
慣れない入院生活に不安が強い方には、安心して過ごせるようお話を傾聴したり、障がいへの気づきが進まれた方には、それゆえに起こる心理的な混乱や落ち込みなどを整理する場として面接を行ったりしています。
2. 環境調整
入院生活で困らないように、まず、わかりやすく活動しやすい環境を整えます。
例えば、病院で配布している既成のスケジュール表では日課の内容や流れがわからず混乱している方には、毎日の予定をその方に合わせて分かりやすく表示したスケジュール表を提供しています。
3. 認知リハビリテーション
様々な課題を通して認知機能回復のための援助や代償手段活用のための援助を行うとともに、できること・難しいことに触れていただき、ご自身の状況への「気づき」を促していきます。また、これらの訓練を通して、高次脳機能障害についての知識を深めて対応力・適応力を高めていただくことを目的にアプローチをしております。
4. 家族支援
ご本人の症状を適切に捉えて家庭復帰・社会復帰に向けて準備ができるよう、訓練を見学していただいたり、ご家族と単独で面接を行ったりなどご家族に対しても援助しています。


心理検査の様子


訓練課題の一例

子どもの後天性脳損傷・高次脳機能障害への支援

後天性脳損傷とは

人は、脳の機能のひとつである高次脳機能(周囲の情報をキャッチする・考える・行動する・覚える・学ぶ、etc.)を使って毎日暮らしています。そのため、脳が病気やけがで損傷を受けると、日常生活にも影響が見られます
それは身体への影響よりも見えにくく、対策を立てにくいため、仕事や勉強への影響だけでなく、うまくいかないことの積み重ねによる自信喪失など、二次的な影響が生じる場合もあります。特にお子さんの場合、成長=発達にも影響が出る場合があります。
そして、一緒に生活するご家族や、学校の先生・お友達などにとっても、ご本人の変化にどう関わればよいか分からず、戸惑うことが多くなりがちです。
当院では、脳に病気やけがで損傷を受けた(後天性脳損傷)お子さんのリハビリを行っています。

臨床心理士の後天性脳損傷への4つのかかわり

私たち臨床心理士は、後天性脳損傷に由来する、目に見えにくい高次脳機能への影響に対するかかわりを通して、お子さんとご家族へのこころのケアを実施していきたいと考えております。下記の関わり全体を通して、その子がその子らしく、のびのび振舞えるよう支援していくことが、リハビリテーションの大きな目的です。
私たちは、後天性脳損傷を受けたお子さんの(心理的)リハビリテーションには、4つの重要な柱があると考えております。

1. 分かりやすい=「発達や高次脳機能の状況を知り、何がおきているか理解しやすくする」
高次脳機能がうまく働かなくなると、まわりのことや自分のことがよく分からなくなることがあり、とても不安な状況に陥ります。そこで、検査や遊びを通して、発達や高次脳機能という「目に見えにくいもの」を「目に見える形」で表し、今何が分かりやすくて、何が分かりにくいかを、お子さんとともに確認していきます。また、その姿を家族にも見てもらうことで、お子さんをより総合的に理解できる情報を提供できるよう努めています(評価と呼んでいます)。
2. 「できること・うまくいくこと=自信を持つ」
今のお子さんの状況に合った生活・学習・遊びの場面を提供し、「できる・うまくいく」楽しさを体験してもらい、自信をつけてもらうことです。これは入院リハビリテーションの中心ともいえます(認知訓練と呼んでいます)。
3. 「安心」
お子さん自身の不安、ご家族の不安をうかがいながら、お子さんの状況や今するべきことを話し合い、生活上の課題を整理し、訓練場面でうまくできるようになったことを日常生活の中でも無理なくスムーズに楽しく行えるよう支援していきます。ご家庭だけでなく、学校でも安心して過ごせるよう、地域への情報提供を行う場合もあります(環境調整と呼んでいます)。
4. 「楽しい」
お子さんにとって「遊び」や「楽しい」ことは大切です。病気やけがのために、家を離れて入院しなければならない、思いっきり身体を動かすことやお友だちと遊ぶことを我慢しなければならない、色々なことが病気やけがをする前のようにうまくいかなくて、イライラしたり悩んでしまう…など、お子さんにとってリハビリはつらいことも少なくありません。そんなときに、「楽しく」、「ホッとできる」遊びの場を提供し、元気を取り戻してもらうことも大切なことと考えています。
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