リハビリテーション科
当院のリハビリテーション科について
リハビリテーション科は、整形外科・泌尿器科・内科などと協力して脊髄損傷の患者様のリハビリテーションを担当しています。体に障害が残ったとしても、色々な形で社会参加を目指す方のお手伝いをしております。
リハビリは必ずしも元の体に戻ることを目標にする訳ではありません。特に脊髄損傷の場合には完全に回復することは難しいため、失われたものを振り返るのではなく、残されている機能を利用していくことが重要です。
脊髄損傷というと、以前は交通事故や仕事中の事故による若い方が多かったのですが、最近は転倒・転落や病気による脊髄障害の中高年の方が目立ってきています。脊髄損傷は起こった場所によって症状は大きく違います。首の部分の障害では上下肢麻痺(四肢麻痺)となり、胸以下の障害では両下肢麻痺(対麻痺)になります。
最近は首(頚部)の損傷による上下肢麻痺(四肢麻痺)の方が多くなっています。リハビリテーション科では、まずご自宅で生活されることを目標に治療を行っており、一通りの治療には対麻痺の方で2~3ヶ月、四肢麻痺の方で4~6ヶ月程度の入院となっています。
当院における障害の原因(一年間の統計)
- 四肢麻痺
- 対麻痺
病院を退院後の生活
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髄腔内薬物治療
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病院を退院後は、四肢麻痺の方でもご自分で車を運転したり、仕事や学校に復帰する方が多くなってきました。対麻痺の方は、足で歩く代わりに車椅子を使うというだけで、普通に生活しスポーツなども楽しんでいます。ただ、元々いろいろな合併症を持つ方や高齢の方の自立はなかなか難しいため、ご家族が適切な介護の方法を習得されることが必要となります。
脊髄損傷は、最初の治療が終了して退院された後も、床ずれや尿路感染、生活習慣病などが起こりやすく、その予防のため生涯にわたる健康管理が望まれます。
当科では、痙性(つっぱり)の治療や車椅子、クッションなどのアドバイスも行っております。痙性については、薬剤を直接脊髄に注入する体内埋め込み式ポンプが健康保険で使えるようになりました。これは脊髄損傷だけでなく、脳性麻痺やその他の病気でも下肢の痙性がひどく日常生活に支障のある方に効果があります。脳神経外科、整形外科と共同で治療を計画しておりますのでお気軽にご相談ください。