神奈川県総合リハビリテーションセンター

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診療技術部門

医療情報管理室

神奈川リハビリテーション病院 退院および手術統計

平成27年度(2015年度)

当院では電子カルテは導入されておらず、昔ながらの紙のカルテを用いています.昨年度(平成27年)の入院症例、手術症例について御紹介します。

A.退院統計

1.退院症例の概要(総数、平均年齢、在院日数、転帰)

神奈川リハビリテーション病院の病床数は280床です。
平成27年度(2015年度)の退院患者総数は1234例で、平成26年度より36例増加しました。平均年齢は53.4歳でほぼ例年通りとなりました。男女比は1.36と昨年度と同様で男性優位に変化はありませんでした。平均在院日数は69.5日と昨年度から約2.8日延長しました。
自宅への退院は89.4%で昨年度より2.3%上昇し、高い自宅退院率となりました。施設への退院は78例(6.3%)と例年並みでした。当院から他院への転院症例は46例(3.7%)となっており、46例中35例が急性期病院へ、残りの11例が慢性期に転院していました。死亡は7例で死亡率は0.6%でした。近年死亡率は1%前後となっています。

1 ICD10大分類と基礎項目 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
A 感染症および寄生虫症 3 0.2 2 1 56.3 10 0 0 1 2
B 感染症および寄生虫症 0 0 0 0
C 新生物 15 1.2 13 2 62.4 49.8 0 2 0 13
D 血液および造血器の疾患,免疫機構の障害 7 0.6 2 5 50.3 64.6 0 0 0 7
E 内分泌,栄養および代謝疾患 14 1.1 10 4 49.6 53.8 0 3 0 11
F 精神および行動の障害 10 0.8 2 8 44.8 117.6 0 3 0 7
G 神経系の疾患 142 11.5 98 44 40.5 68 3 6 7 126
H 眼および付属器の疾患・耳の疾患 2 0.2 0 2 79.5 3.5 0 0 0 2
I 循環器系の疾患 137 11.1 106 31 46.9 99 0 6 12 119
J 呼吸器系の疾患 35 2.8 29 6 53.7 33.5 3 1 6 25
K 消化器系の疾患 24 1.9 20 4 54.3 21.8 0 2 3 19
L 皮膚および皮下組織の疾患 75 6.1 62 13 55.2 60.6 0 2 10 63
M 筋骨格系および結合組織の疾患 289 23.4 67 222 63.5 56.1 0 4 6 279
N 尿路系の疾患 39 3.2 27 12 51.9 27.5 0 0 6 33
O 妊娠,分娩および産褥 0 0 0 0
P 周産期に発生した病態 1 0.1 1 0 1 78 0 0 0 1
Q 先天奇形,変形および染色体異常 18 1.5 12 6 12.5 57 1 1 0 16
R 症状,徴候などで他に分類されないもの 5 0.4 4 1 64.8 9 0 0 2 3
S 損傷,中毒およびその他の外因の影響 107 8.7 52 55 61.7 51.8 0 1 5 101
T 損傷,中毒およびその他の外因の影響 304 24.6 200 104 51.8 93.1 0 15 19 270
Z 健康状態に影響を及ぼす要因及び健康サービス 7 0.6 5 2 52 117.3 0 0 1 6
総数 1,234 100 712 522 53.4 69.5 7 46 78 1,103

2.ICD10大分類

ICDに基づく疾患別では、筋骨格系(M)が289例(23.4%),外傷(S、T)が411例(33.3%)でした。神経系(G)が142例(11.5%)、皮膚および皮下組織(L)が75例(6.1%)、循環器系(I)が137例(11.1%)、呼吸器系(J)が35例(2.8%)でした。

3.主たる疾患の内訳

(1)筋骨格系の疾患(M) 

 M群は289例でした。最も多いのが当院の代表疾患である変形性股関節症(M169)221例でM郡中の68.9%を占めました。変形性股関節症(M169)の男女比は圧倒的に女性優位(5対1)で平均年齢は63.4歳で昨年度とほぼ同様でした。平均在院日数は53.9日と昨年度より4.9日と延長し、2年連続の延長となりました。転帰は転院が1例、自宅退院が198例で、自宅退院率99.5%でした。
 変形性膝関節症(M179)は22例で、昨年度より5例減少し、近年減少が進んでいます。平均年齢は72.4歳と股関節症よりも9歳高齢でした。在院日数は56.7日と股関節症との差は2.8日で昨年度より2疾患の差は小さくなりました。

2 主たる疾患の内訳 筋骨格系 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
M162 両側性臼蓋形成不全 10 3.5 2 8 34.9 54.1 0 0 0 10
M169 変形性股関節症 199 68.9 32 167 63.4 53.9 0 1 0 198
M179 変形性膝関節症 22 7.6 4 18 72.4 56.7 0 0 1 21
M471 頚椎症性脊髄症 3 1 3 0 72.3 56.3 0 0 0 3
M4806 腰部脊柱管狭窄症 12 4.2 2 10 71.5 43.8 0 0 1 11
M502 頚椎椎間板ヘルニア 0 0 0
M512 腰椎椎間板ヘルニア 4 1.4 3 1 57 31.3 0 0 0 4
M069 関節リウマチ 3 1 1 2 72.3 35.3 0 0 0 3
その他 36 12.5 20 16 62.7 76.6 0 3 4 29
総数 289 100 73 222 63.5 56.1 0 4 6 279

(2)神経系の疾患(G)

G群は142例で、神経系の疾患の中でも「その他」に含まれる疾患が74例52.1%を占めました。脳血管障害はI群、脳・脊髄外傷はS・T群に分類されますのでG群には含まれませんのでご注意下さい。 G群で最多は睡眠時無呼吸(G473)の21例でした。男女比は6と圧倒的男性優位でした。平均年齢は65.5歳で昨年度より9.2歳上昇しました。在院日数は2日で、昨年度と同様、全症例検査入院でした。 ほか、脳性麻痺(G809)が9例、低酸素性脳症後遺症(G931)・脊髄小脳変性症(G319)が各8例、脊髄血管障害(G951)が6例などありました。昨年度19例あった低酸素性脳症後遺症(G931)が大きく減少しました。 平均在院日数はパーキンソン病(G20)が最長で、174.8日と昨年度より約100日延長しました。他に脊髄小脳変性症(G319)、低酸素性脳症後遺症も延長し、100日を超えました。G群の全体では7.3日延長していました。

3 主たる疾患の内訳 神経系 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
G20-G211 パーキンソン病,症候群 4 2.8 4 0 63.5 174.8 0 0 0 4
G319 脊髄小脳変性症 8 5.6 4 4 44.5 157.1 1 0 0 7
G35 多発性硬化症 3 2.1 2 1 43.7 30.3 0 0 0 3
G40 てんかん 5 3.5 3 2 53.6 29.6 1 0 2 2
G473 睡眠時無呼吸 21 14.8 18 3 65.5 2 0 0 1 20
G809 脳性麻痺 9 6.3 5 4 15.6 54.4 1 0 1 7
G931 低酸素性脳症後遺症 8 5.6 7 1 35 101.6 0 1 0 7
G951 脊髄梗塞,脊髄出血 6 4.2 5 1 50.2 122.7 0 1 0 5
G960 脳脊髄液減少症 4 2.8 0 4 27.8 4.5 0 0 0 4
その他 74 52.1 50 24 34.2 72.6 0 4 3 67
総数 142 100 98 44 40.5 68 3 6 7 126

(3)循環器系の疾患(I)

I群は137例でしたが、これは循環器系の病名を主病名としている症例です。
合併症としての高血圧症(I10)は94例となり、当院での高血圧症の合併は全症例の7.6%と若干増加しました。急性期の脳出血(I619)は4例,脳梗塞(I639)は3例のみでした。脳出血後遺症(I691)は48例、脳梗塞後遺症(I693)は47例、くも膜下出血後遺症(I690)が25例でした。昨年度と比較すると、脳出血後遺症は増減ありませんでしたが、脳梗塞後遺症は17例、くも膜下出血後遺症は4例、それぞれ増加しました。 平均年齢は脳出血後遺症が40歳、脳梗塞後遺症が52.7歳、くも膜下出血後遺症が50.6歳でした。脳出血後遺症には10例の小児例含まれていました。

(4)損傷、中毒、いわゆる外傷(S)

損傷、中毒、外因はSとTの二つに分かれていますが、Sには骨折などの急性期の外傷が多く含まれます。Tは多部位の外傷、熱傷、中毒、後遺症が含まれます。
S群で最も多いのは、肩鍵盤断裂(S460)の29例、次いで股関節唇断裂(S798)の26例、大腿骨骨折(S72)の14例でした。腱板断裂(S460)は平均年齢71歳と高齢で、平均在院日数は52.8日と昨年度より17.6日延長し、全症例平均と同程度となりました。急性期の骨折症例は大腿骨骨折(S72)の14例が最多でしたが、昨年度よりは9例減少していました。14例中7例が脊髄障害を基礎疾患に持つ症例でした。下腿骨折(S82)は9例でした。
骨折のリハビリ目的の症例はT群の骨折後遺症(T911,T931,T932など)になっています。

(5)T損傷、中毒、外傷後遺症など(T)

当院に該当するT群は、外傷後の後遺症が殆どで、総数は304例と昨年度より4例増加し、M群を抜いて最大のグループとなりました。最も多いのが脳外傷後遺症(T905)125例で、昨年度からは7例減少しましたが、T群の41.1%を占めます。男女比は5と圧倒的に男性優位で、平均年齢は39.4歳と1.4歳上昇、在院日数は83日で4.2日短縮しました。転帰は、転院3例、施設入所7例で、自宅退院は115例で92%が自宅退院となり、自宅退院率が昨年度より3.4%上昇しました。
次が脊髄損傷後遺症(T913)63例で、昨年度より8例増加しており、T群の20.7%となっておりました。男女比は5.3例年通り男性優位でした。平均年齢は50.6歳と昨年度と同様となりました。平均在院日数は143.9日で昨年度と比較しますと9.8日短縮しました。死亡例はなく、転院5例、 施設6例、自宅退院52例と、自宅退院率は82.5%で昨年度と同様でした。
脊髄出血、脊髄梗塞(G951)などはG群となります。

4 主たる疾患の内訳 外傷後遺症など 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
T850 髄液シャント不全 0 0 0 0
T889 脳腫瘍摘出術後遺症 7 2.3 2 5 30.7 93.7 0 0 1 6
T905 脳外傷後遺症 125 41.1 104 21 39.4 83 0 3 7 115
T913 脊髄損傷後遺症 63 20.7 53 10 50.6 143.9 0 5 6 52
その他 109 35.9 41 68 68 75.3 0 7 5 97
総数 304 100 200 104 51.8 93.1 0 15 19 270

その他(C新生物、E内分泌、N尿路系、L皮膚)

悪性新生物は15例と昨年度と同様でした。組織別では大腸癌(C18)5例、前立腺癌(C61 )・直腸癌(C20)・膀胱癌(C67)各2例などでした。
糖尿病(E14)と高脂血症:脂質異常症(E785)については、主病名のみならず、合併症の症例も含めて分析しました。糖尿病(E14)は81例(主病名としては5例)で、昨年度より22例(主病名としては2例)増加しました。男女比は4.06で昨年度より男性優位となりました。平均年齢は64.1歳で昨年度と同様で、在院日数は82.4日で昨年度より5.1日延長しました。高脂血症(E785)は65例で昨年度より23例増加しました。高脂血症(E785)を主病名とした症例はありませんでした。男女比1.95、平均年齢60.6歳、平均在院日数95.5日でした。

尿路性器系の疾患は39例で、全症例における構成比は3.2%で昨年度とほぼ同様でした。男女比は2.25で昨年度の6.4と比較すると女性の割合が増加していました。脊髄損傷後遺症(T913)に合併した症例が23例59%でした。最も多かったのは尿路結石症14例、次いで尿路感染症(N390)13例、神経因性膀胱5例の順でした。施設入所6例、自宅退院33例で自宅退院率は84.6%でした。在院日数は27.5日で、短期の症例が殆どでした。

呼吸器系の疾患は35例で、昨年度より14例増加し、近年の減少傾向が止まりました。肺炎(J189)17例、誤嚥性肺炎(J690)3例の2つで20例となりJ群の半数以上を占めていました。J群の男女比は4.83で男性優位、平均年齢は53.7歳で昨年度より5.6歳上昇しました。在院日数は33.5日で昨年度から6.1日短縮しました。転帰は死亡退院3例、転院1例、施設入所6例、自宅退院25例でした。自宅退院率は71.4%で、昨年度より4.7%上昇しました。
褥瘡(L89)は60例でL群75例の80%を占めました。褥瘡は部位、原因に関係なく全てL89になります。褥瘡(L89)の男女比は4.45で男性優位、平均年齢は53.7歳で昨年度より2歳低下しました。

平均在院日数は72.1日でほぼ同様でした。転院1例、自宅退院59例で、自宅退院率は98.3%となり、例年通り高い自宅退院率となりました。
また、その他の症例として蜂窩織炎(L03)が12例ありました。男女比は11で圧倒的男性優位、平均年齢は59.7歳、平均在院日数は13.2日でした。

4.障害別の内訳

リハビリテーション病院である当院の特徴が障害名に表れます.障害をF精神,G神経,Rその他の3つに絞り検討しました.F精神が311,G神経系が443,Rその他が障害名の記載は412個ありました。

(1)精神および行動の障害(F)

F03認知症は7例と少数でした。 F069の高次脳機能障害は223例と最多で,男性優位:男女比4.58、平均年齢41.8歳,在院日数は85.2日で、症例数・平均年齢・平均在院日数ともに大きな変化はりませんでした。 F7の精神遅滞は56例でした。

5 F:精神および行動の障害の内訳 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
F03 認知症 7 2.3 5 2 74.4 134.3 0 0 1 6
F069 高次脳機能障害(器質性精神障害) 223 71.7 183 40 41.8 85.2 0 7 16 200
F70-79 精神遅滞 56 18 44 12 22.9 45.3 2 3 13 38
F* その他 25 8 16 9 40.4 55.1 0 4 1 20
総数 311 100 248 63 39 76.7 2 14 31 264

(2)神経系の障害(G)

G819の片麻痺は124例で、平均年齢は45.1歳で昨年度と同様でした。平均在院日数は全麻痺の中で最長の87.4日で、昨年度より18日延長していました。
G820-22の対麻痺は146例でした。平均年齢は53.4歳で,在院日数は75.8日で昨年度より短縮しました。
G823-25の四肢麻痺は157例あり、例年通り全麻痺の中で最多となりました。平均年齢は44.9歳、在院日数は85.1日となりました。

6 G:神経系の疾患の内訳 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
G819 片麻痺など 124 28 88 36 45.1 87.4 0 6 16 102
G820-22 対麻痺など 146 33 119 27 53.4 75.8 0 8 5 133
G823-25 四肢麻痺など 157 35.4 129 28 44.9 85.1 23 13 15 127
その他(上肢麻痺,下肢単麻痺など) 16 3.6 10 6 38.6 78.4 0 0 2 14
総数 443 100 346 97 47.5 82.4 2 27 38 376

(3)症状、徴候など(R)

このRは症状,徴候など他に分類されないものが含まれます。当院の障害名で該当するのは,無呼吸発作(R068),嚥下障害(R13),歩行障害(R262),失語症(R470),排尿障害(R391),排便障害(R198)などがあたります。 総数は456例で、昨年度から75例増加しました。無呼吸発作24例、嚥下障害43例、失語症47例、歩行障害50例でした。排尿障害は226例で、全症例の18.3%(5~6人に1人)に排尿障害を認めました。

7 R:症状、徴候などの内訳 平成27年度
ICD 分類 総数 構成比% 性別 年齢 在院日数 転帰
平均 平均 死亡 転院 施設 軽快自宅
R068 無呼吸発作 24 5.3 21 3 65.8 13.7 0 0 1 23
R13 嚥下障害 43 9.4 33 10 33.7 100.3 0 2 3 38
R262 歩行障害 50 11 30 20 57.8 88.1 0 0 1 49
R470 失語症 47 10.3 39 8 52.4 81.2 0 2 8 37
R391 排尿障害 226 49.6 193 33 53.6 82.8 2 14 19 191
その他 66 14.5 52 14 42.5 91.6 0 2 4 60
総数 456 100 368 88 51.2 82.5 2 20 36 398

5.退院抄録サマリー提出状況

当院の平成27年度の成績は、14日以内提出率は86.7%、平均完成期間は7日でした。

B.手術統計

1.ICD-9-CM分類による概要

平成27年度は451件の手術を行いました。筋骨格系の手術が70%以上を占めました。退院症例数が1396例ですので、入院した症例の約37%が手術を受けていました。男女比はやや女性が優位(1:1.3)でした。 全体の平均年齢は59歳で例年通りとなりました。平均手術時間は101分でした。平均手術時間が100分超える大分類は筋骨格の手術のみでした。多方面の診断が1分と最短でした。

No 大分類 症例数 平均年齢 平均手術時間
1 01-05神経 9 8 1 59.2 65.7
2 06-07内分泌 0 0 0
3 08-16眼科 0 0 0
4 18-20耳 1 1 0 44 7
5 21-29鼻・口・咽頭 5 4 1 33.8 84.6
6 30-34呼吸器 3 3 0 76.7 23.7
7 35-39心血管系 0 0 0
8 40-41血液・リンパ 0 0 0
9 42-54消化器 15 12 3 62.4 44.4
10 55-56尿路系 26 17 9 46.6 21.5
11 60-64男性器 2 2 0 46 57
12 65-71女性器 0 0 0
13 72-75産科 0 0 0
14 76-84筋骨格 318 91 227 61.4 118
15 85-86外皮組織 66 51 15 54 84.8
16 87-99多方面の診断 6 6 0 55 1
合計 451 195 256 59 101

2.科別の手術数

(1)整形外科第一

手術数277 例で,全手術の61.4%を占めていました。この中で、人工股関節置換術THAが160例で57.8%を占め、その85.6%が女性であり圧倒的に女性優位でした。人工膝関節術TKAは12例でした。平均年齢は、臼蓋回転骨切術RAOが47.3歳、THAが62.9歳,再THAが69.1歳と、術式選択の基準通りの順でした。
整形外科第一の全手術の手術平均時間は121.8分で科別でみて最長となりました。昨年度の平均手術時間と比較すると3.3分延長していました。症例数の最も多い人工股関節全置換術THAの平均手術時間が昨年度より13.6分延長していたのが影響していると考えられます。

第一整形外科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
78.*  抜釘 5 2 7 38.9 39
81.40 臼蓋回転骨切術RAO 1 5 6 47.3 123.8
81.51 人工股関節全置換THA 23 137 160 62.9 111.8
81.52 人工骨頭大腿骨 1 0 1 86 55
81.53 人工股関節再置換/再THA 3 12 15 69.1 170
81.54 人工膝関節全置換TKA 1 11 12 69.8 130
80.85 股関節鏡科下手術 12 19 31 43.3 194.2
83.63 鏡視下肩鍵盤修復術 11 13 24 69.8 130
その他 8 13 21 64.5 73
合計 65 212 277 61.2 121.8
(2)整形外科第二

手術症例数は昨年度より6例増加し、108例でした。科別でみると整形外科第一に続き第二位となりました。例年通り、褥瘡形成術が66例と半数以上を占めていました。整形外科第二全体では平均年齢57.4歳と昨年度より1.7歳上昇し、平均手術時間88分と昨年度より9.5分延長していました。男女比は2.6で例年通り男性優位でした。
褥瘡形成術の平均年齢は54歳とほぼ例年通りでした.手術時間は84.8分で、昨年度より8.6分延長しました。

第二整形外科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
78.* 抜釘 6 0 6 43.5 100.5
79.* 骨折の観血的固定術 11 2 13 57.4 98.2
81.52 人工骨頭大腿骨 1 1 2 59.5 75
81.84 人工肘関節全置換TEA 0 0 0
81.54 人工膝関節全置換TKA 2 7 9 75.3 111.9
86.74 褥瘡形成術 51 15 66 54 84.8
その他 7 5 12 69.2 72.8
総計 78 30 108 57.4 88
(3)泌尿器科

全28例で昨年度から18例減少しました。平均年齢は46.5歳と昨年度から5.2歳低下し、手術時間は24分と22分短縮していました。経尿道的膀胱結石摘出術の16例が最多、次いで尿管ステント留置4例、膀胱瘻造設術2例となりました。その他の症例として開腹膀胱結石摘出術、陰嚢内膿瘍排膿ドレナージなどがありました。

泌尿器科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
57.0 経尿道的膀胱結石摘出術 12 4 16 44.9 8.7
57.17 経皮的膀胱瘻造設術 0 0 0
57.21 膀胱瘻造設術 0 2 2 51 3
57.49 経尿道的膀胱腫瘍摘出術 0 0 0
57.87 膀胱拡大術 0 0 0
99.96 電気的人工射精 0 0 0
59.8 尿管ステント 1 3 4 57.8 16.3
その他 6 0 6 42 60.3
合計 19 9 28 46.5 24
(4)外科

手術症例数は16例で昨年度より2例減少しました。平均年齢は61.3歳、平均手術時間は42.1歳でした.その他の症例として痔瘻根治術、直腸脱根治術などがありました。

外科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
43.11 PEG 1 2 3 79 13.3
49.46 内痔核根治術 2 1 3 51.3 35
53.00 鼠径ヘルニア根治術 3 0 3 74 61.7
51.22-23 胆嚢摘出術 2 0 2 44 83
06.2-06.52 甲状腺癌摘出術 0 0 0
その他 5 0 5 55.8 35.4
合計 13 3 16 61.3 42.1
(5)脳神経外科

全8例と昨年度の16例より半減していました。平均年齢は57.8歳、平均手術時間は58.9分でした。穿頭血腫ドレナージ術の4例で最多、次いで頭蓋形成術が3例、VPシャント術が1例ありました。

脳神経外科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
01.31 穿頭血腫ドレナージ術 3 1 4 68.5 22
02.05 頭蓋形成術 3 0 3 48 95
02.07 骨弁除去術 0 0 0
02.34 VPシャント術 1 0 1 44 98
02.42-43 シャント再建術 0 0 0
39.51 開頭クリッピング術 0 0 0
その他 0 0 0
合計 7 1 8 57.8 58.9
(6)その他の科(耳鼻科,眼科,歯科など)

耳鼻咽喉科は3例の手術がありました。内訳は気管切開術2例、瘻孔閉鎖術1例でした。3症例とも男性で、平均年齢は76.7歳、平均手術時間は26.7分でした。 神経内科は6例で、1症例のECTでした.昨年度2例あったCV挿入はありませんでした。平均手術時間は1分でした。 歯科5例のうち4例が歯牙保存処置で、1例は抜歯でした。男性4例、女性1例、平均年齢33.8歳、平均手術時間84.6分でした。 眼科・内科の手術はありませんでした。

耳鼻咽喉科・眼科・歯科・神経内科・内科
手術手技 合計 平均年齢 手術時間
30.3 喉頭摘出術 0 0 0
31.29 気管切開術 2 0 2 83 27.5
31.72 気管瘻孔閉鎖術 1 0 1 64 16
15.1-15.4 眼輪筋の手術 0 0 0
23-24 歯牙保存処置など 4 1 5 33.8 84.6
94.27 電気痙攣療法 6 0 6 55 1
55.23 エコー下腎生検 0 0 0
その他 0 0
合計 13 1 14 52.1 35.7

平成28年11月14日

医療局長・診療情報管理室長 横山 修

 
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