神奈川県総合リハビリテーションセンター

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かながわリハビリロボットクリニック(KRRC)

ロボット・リハビリ機器の開発支援

さがみロボット産業特区への協力

神奈川県による「さがみロボット産業特区」における生活支援ロボットの実証実験の場としてリハセンターが位置づけられ、事業団としてもリハビリに役立つロボットの実用化に向けて、実証実験の協力を行なっています。
※「さがみロボット産業特区」とは、国の施策である地域活性化総合特区制度を活用し、さがみ縦貫道路の全線開通を機に、この沿線地域等を対象として、生活支援ロボットの実用化や普及を促進し、関連企業の集積を図り、地域経済の活性化を目的に神奈川県が申請したもので平成25年2月15日に国から特区の指定を受けました。

主な実証実験協力実績

開発支援・協力の関わり方は、企業の発想段階から臨床応用が可能なレベルまで様々です。
経験豊富な医師やセラピスト等による臨床現場からのアドバイスや研究員による共同研究、臨床における効果検証などを行っています。

FREE Walk(USCIジャパン株式会社)

  • 平成30年度の実証実験協力として、FREE Walkの国内普及に向けた訓練プログラム及び運用方法の確立に関する評価が求められました
  • FREE Walkは、外骨格型の歩行支援ロボットで、日常生活での起立、着座、歩行をサポートし、内蔵された角度センサーにより、姿勢の傾きを検知し、安定した立位姿勢を保つものです
  • 神奈川リハ病院では、FREE Walkを用いた立位・歩行訓練の経過について、主観的・客観的評価を行い、その適応及び有効性、訓練プログラム及び運用方法について検討を行うとともに、国内での普及に向け機器の改良について提言を行いました
  • このロボットは既に販売が開始されており、購入又はレンタルが可能です。詳しくは、販売元のUSCIジャパンにお問合せください。平成30年度の実証実験は終了しましたが、導入の検討に向けた見学や取材などの対応はできますので、研究部前田までお問い合わせください。(046-249-2220(代)内線4062)

脊髄損傷者用歩行アシスト装置「ReWalk」(株)安川電機

  • 平成26年度より、 Rewalkの国内での普及に向けた実証を神奈川リハビリテーション病院で行っています。当院の医師をはじめ、理学療法士、研究員等による実証実験への協力、提案、臨床における効果検証を行なっています。
  • リウォークとは
    ・脊髄損傷により両下肢に麻痺のある人の歩行を実現するロボット下肢装具です。
    ・腕時計型の指示器と角度センサーにより、自分の意志を反映した歩行を可能とするロボットです。
    ・脊髄損傷により起立や歩行ができない人の立位や歩行をサポートします。
    ・このロボットは、既に欧米にて販売され、株式会社安川電機が日本での販売権を取得しました。(日本アジア販売総代理)
  • 実証実験内容
    ・国内での普及にむけ、欧米の使用者との体格や制度の違いに合わせた使い勝手の向上など、日本向け製品の改良及び運用方法の確立をします。
    ・理学療法士の協力を得て、脊髄損傷により両下肢に麻痺があるモニターに装着し、実際に歩行訓練を行うことで、構造面での課題や使用者の選定基準など運用面での課題を明らかにします。
    ・脊髄損傷者が実際にRewalkを使用することによる効果などの評価・検証、訓練手法の確立を行っています。
    ・Rewalkの日本国内における拠点病院のひとつとして、開発、普及に協力しています。 ・この製品は、すでに日本国内で販売、リースが可能です。購入等については、(株)安川電気にお問い合わせいただくとともに、必要なトレーニングの実施は神奈川リハ病院で行うことができます。


写真提供:株式会社安川電機

HAL® 介護ロボット普及推進センター事業(県高齢福祉課)

  • 脊髄損傷患者、脳卒中患者を対象に、HAL®を活用したリハビリテーションの訓練効果の検証や改良点の提案等を行っています。
  • 神奈川県と「介護ロボット普及推進センター事業に関する協定」を締結し、サイバーダイン社と協力しながら進めています。(継続中)

  • 介護ロボット普及推進センター事業
    1. 目的
    介護・医療分野の従事者の負担軽減や、患者・利用者のQOL(Quality Of Life;生活の質)の向上等といった課題の多い介護・医療現場の手助けとなることが期待される介護ロボットについて、医療現場でHAL(ロボットスーツ)を活用することにより、介護ロボット導入事例の蓄積を行い、介護・医療現場での円滑な導入に資することを目的とします。
    2. 協定締結日
    平成25年4月23日
    3. 協定書の取組み内容
    ①協定内容
    ・介護ロボットの活用事例の蓄積
    ・県関係等の視察の受入れ
    ・県等への情報提供

    ②実施する内容
    HAL®活用事業所(HAL®センター)
    ロボットスーツHAL®の医療機器としての承認申請を目指すために、活用事業所において、治験としてリハビリ等に使用し、導入事例の蓄積を行います。
機器名 HAL® FL05 及び 福祉用
開発・販売元 CYBERDYNE(サイバーダイン)(株)
用途 運動疾患等によって歩行や立ち座りが困難な方の脚にHALを装着して、トレーニング、歩行支援を行います。
機器説明 「動こう!」という脳からの伝達信号をHALに付属している皮膚表面のセンサーでキャッチし、装着者の意思を反映した信号に基づいて動作することで、装着者の動きを助けます。
導入先 神奈川リハビリテーション病院

「マッスルスーツ」(株)イノフェス

  • 外骨格型の装着型動作補助装置、ウェアラブルロボット。空気圧式mckibbeen型人工筋肉で補助力を実現し、装着時の動作をアシストするものです。
  • 平成29年度にマッスルスーツ使用における効果の評価手法と測定方法について、動作分析装置の活用で研究的視座による数値化を目指しました。

「ガイダンスロボット」 日本精工(株)

  • ガイダンスロボットとは、人の行きたい方向を察知し先導するロボットで、視覚障害者をサポートし、施設内での移動に必要な情報の提供(施設案内、進路、階段等)および先導を行う案内ロボットです。
  • 平成25年度より、実用性を検証する実証実験を実施しており、七沢自立支援ホームの視覚障害者支援員や研究員による協力のもと実証と改善提案を行なってきました。また、病院外来の混雑する時間帯での実証実験も行い、視覚障害者による操作とガイダンス機能における安全性の確認、実利用における課題の洗い出しなどを行ないました。
  • 日本精工では、「ガイダンスロボットLIGHBOT」として、一般財団法人日本品質保証機構から安全性に関するISO13482の認証を取得し、一般に向けレンタルの開始を行っています。また、開発に使用した実機については、当センターに寄贈されました。 (平成29年3月30日)
  • 神奈川リハ病院1階外来エリアに設置しております。体験してみたい方は、研究部までお申し出ください。


実機の贈呈式

「パワーアシストハンド」&「パワーアシストレッグ」 (株)エルエーピー

  • 25年度より、パワーアシストハンドの実証実験を七沢リハビリテーション病院脳血管センターで行ってきました。26年度にはパワーアシストレッグの実証実験も始まりました。現在では、神奈川リハ病院にて行っています。
  • パワーアシストハンドについては、さがみロボット産業特区における重点プロジェクトのひとつであり、製品化第一号ともなりました。また、経済産業省の平成26年度、平成27年度の医工連携事業化推進事業にも選ばれています。
  • 実証実験の内容
    当院の作業療法士、理学療法士による協力のもと、病院の利用者の方に、1ヶ月以上の長期にわたり、1回につき5分~30分程度使用していただき、装着感や使用前後の変化等を作業療法士等の方を含めて評価してもらい、その結果を検証しました。リハビリーション機器として、現場の医師・療法士の提案を開発者や製作者に伝え、より効果的・実用的な機器になるよう努めています。
パワーアシストハンド(マスタースレーブ型)とは
  • ・空気圧を利用して安全かつ少ない負担で手足の機能回復をサポートするロボットです。
  • ・手指の関節が麻痺する等してしまった方に対して、健常な片手の動きをセンサーで読み取り、麻痺等している手に伝えて同じように動かすロボットです。樹脂製の蛇腹(ベローズ)と空気圧の組み合わせにより、軽量で柔らか、かつ 安全に、手指の運動の介助を可能としたものです。
パワーアシストレッグとは
  • 足首が麻痺する等してしまった方に対して、簡単なスイッチ操作で、装着した機器のベローズ(蛇腹)が伸縮することにより、運動を補助する装置です。

写真提供:株式会社エルエーピー

「力覚伝達技術を応用した上肢リハビリテーション支援システム」  横浜国立大学理工学部 下野誠通准教授

  • 平成26年度から平成28年度まで、力覚伝達技術を応用した上肢リハビリテーション支援システムの実証実験を七沢リハビリテーション病院脳血管センターで行いました。作業療法士による実証実験への協力、提案を行ないました。
  • 力覚伝達技術を応用した上肢リハビリテーション支援システムとは、平面上を一定の範囲で自由に動かせる左右の2つの操作部で構成され、健常な上肢で一方の操作ハンドルを動かすと、麻痺した上肢を固定する他方の操作部が連動して動作することにより、一人で上肢のリハビリテーションを行うことができるシステムです。左右の操作部に加わる力を相互に伝達するので、麻痺の抵抗感を感じながら無理なく麻痺した上肢を動かすことができます。
  • 実証実験内容
    ・ 上肢に麻痺のある患者のリハビリテーションに本システムを利用していただき、利用前後での運動機能の評価をして効果を実証しました。 ・本機によるリハビリ効果の評価方法を確立するため、身体機能測定プログラムの改良による計数化、視覚化に対する評価改善点の提言を行いました。


写真提供:横浜国立大学

「心の健康計測システム」 PST株式会社

  • 平成25年度~平成26年度、心の健康計測システムの実証を七沢リハビリテーション病院脳血管センターで行いました。当院の心理士による実証実験への協力、提案を行いました。
  • 心の健康計測システムとは
    高性能録音機で取得した話者音声データを「心の活力計ソフトウェア」で解析し、心の健康度を数値データとして出力します。コミュニケーションロボットとして、ストレスや心の病の早期発見が期待されます。


イメージ図提供:PST株式会社

  • 実証実験内容
    ・音声から心に関連した特徴を計測し、心の健康度を分析して検証する実証を心理科の協力のもと行いました。
    ・同意を得た入院患者の音声データを取得し、解析データの蓄積とその解析結果に基づいた心の健康度の定量化の研究に協力しました。システムによる評価結果と、当院臨床心理士の行う患者評価との比較検証を行いました。
    ・実用化後の普及・定着を見据え、実際の使用環境(スマートフォンで録音)を再現した実証も行い、一層の精度向上を目指しました。。
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